概算のすすめ !!
計算が必要な推論・議論を進めるとき、精密な計算をせずとも大雑把な概算で十分。実際に調査できないような量を、いくつかの手掛りを基に、論理的に推論して、
短時間で概算する(「フェルミ推定」 Wikipedia) リーズナブル・シンキング。
⇒ 「推し量る勘定と云ふは、相応しき大要を簡便に見出すこと、と見つけたり !! 」
A. 概算には概数を用いる
| 1 |
概数(およその数)は、精密な数より、わかり易く・記憶し易く・計算し易くなる。 |
| 2 | 精密な数を概数にするには、上位2~3桁目を四捨五入して上位1~2桁を残す。 |
B. 概算のメリット
| 1 | 概算では、数をわかり易い概数にして用いるため、計算(暗算)がし易い。 |
| 2 | 億・兆・京の大数、マイクロ・ナノ・ピコの小数を含んでも、数量感覚が得られる。 |
| 3 | 手間がかかる計算に時間・コストをかけずに、大体の予想が立てられる。 |
| 4 | 情報不足でも、手掛りを基に、概算できる論理を組立てることができる。 |
| 5 | 数量を含んでいる主張・議論を、組立てた概算の論理でチェックできる。 |
C. 概算の方法
| 桁 数 | 概算では、数は桁数が重要なので、次のような、10の指数表記がわかり易い。 1万(104)=百(102)×百(102) 1億(108)=1万(104)×1万(104) 1兆(1012)=1億(108)×1万(104) 1京(1016)=1兆(1012)×1万(104)=1億(108)×1億(108) 1ペタ(1015)=1テラ(1012)×1キロ(103)=1ギガ(109)×1メガ(106) 1テラ(1012)=1ギガ(109)×1キロ(103)=1メガ(106)×1メガ(106) 1ギガ(109)=1メガ(106)×1キロ(103) 1メガ(106)=1キロ(103)×1キロ(103) 1キロ(103)=1ヘクト(102)×1デカ(101) 1ミリ(10-3)=1デシ(10-1)×1センチ(10-2) 1マイクロ(10-6)=1ミリ(10-3)×1ミリ(10-3) 1ナノ(10-9)=1マイクロ(10-6)×1ミリ(10-3) 1ピコ(10-12)=1ナノ(10-9)×1ミリ(10-3)=1マイクロ(10-6)×1マイクロ(10-6) |
| 計 算 | 概算では、計算の結果も、上位1~2桁の概数でよいから、加減乗除の計算では、 上位の方から大雑把に計算することができる。 しかし、厳密さを求めるなら、「暗算のコツを学ぶ」 暗算のすべて を参照。 |
| 課 題 の 解 法 | 数量を求める課題は、次のステップ①~④に沿って解く。 ①課題を解く手掛り(事象)としては、何がわかればよいかを論理的に考える。 ②その手掛り(事象)を、どのように組合わせて計算するかの計算式を決める。 ③各手掛り(事象)について、その数値の情報を得る。 情報不足で得られない数値は、上限~下限の仮定の数値を推論して決める。 ④上記③の数値を、上記②の計算式に代入して概算する。 ⑤上記④の概算結果について、その数値の規模・単位等をチェックする。 |
D. 概算の例
| 1 |
「ドレイクの方程式」 Wikipedia
銀河系宇宙内で、人類と通信する可能性のある地球外文明の個数 Nを算出する ものとして、米国の天文学者フランク・ドレイクが、1961年に提案した計算式。 N=R*×fp×ne×fl×fi×fc×L=10個 パラメータは、次のように仮定。 R* : 10個/年 (銀河系宇宙の生涯を通じて、年間に誕生する恒星の個数) fp : 0.5 (銀河系宇宙内の恒星が、惑星を持つ割合) ne : 2 (惑星を持つ恒星が、生命誕生可能な惑星を持つ割合) fl : 1 (生命誕生可能な惑星で、生命が誕生する割合) fi : 0.01 (生命が誕生した惑星で、知的文明が獲得される割合) fc : 0.01 (獲得された知的文明が、通信可能となる割合) L : 10,000年 (通信可能となった知的文明が存続する年数) 私見では、生命誕生可能な惑星は、太陽系をモデルにすれば、ne: 1<2、更に、 通信は、知的文明に必須として、fc: 1>0.01にして、N=500>10個と思う。 |
| 2 | 「フェルミ問題を解く」 東京大学情報理工学系研究科電子情報学専攻伊庭研究室
【例1】 東京にいるピアノ調律師の人数 Pは、どのくらい? P=(N/n)×(p×b)/(m×y)=600人 パラメータは、次のように仮定。 N : 1,200万人 (東京都の人口) n : 4人/家 (1家族の人数) p : 0.2台/家 (1家庭にあるピアノ台数) b : 0.5回/(年・台) (ピアノ1台の年間の調律回数) m : 2回/(日・人) (ピアノ調律師1人の1日当りの調律回数=ピアノ台数) y : 250日/年 (年間の労働日数) 私見では、調律不要があるため、p: 0.02<0.2にして、P=60<600人と思う。 【例2】 地球に衝突した小惑星の大きさは、どのくらい? 約6,500万年前、小惑星が衝突したときに生じた塵が地球表面を覆ったため、 太陽光が遮られて、植物・動物が大きな被害を受け、恐竜は絶滅したとされる。 ある仮設では、この小惑星の質量の20%が、地球表面を0.02g/cm2の一様に 覆ったとしているので、小惑星を、一辺の長さLの立方体で近似して計算する。 小惑星の質量の20%=L3×d×0.2=地球の表面積×飛散密度=4πr2×da L=((4πr2×da)/(d×0.2))1/3≒6km パラメータは、次のように仮定。 r : 6,000km=6億(108)cm (地球の半径) d : 2g/cm3 (小惑星の密度≒地球上の普通の岩石の密度) da : 0.02g/cm2 (小惑星が塵となって地球表面に飛散した密度) 私見では、地球表面に飛散した塵は、すべてが小惑星由来のものか? と思う。 【例3】 人体にある細胞数は、どのくらい? 人体の体積V1を、半径r、高さhの円柱で近似し、人体の細胞1個の体積V2を、 一辺の長さDの立方体で近似して、人体の細胞数C=V1/V2により計算する。 C=(πr2×h)/D3≒100兆=1014個 パラメータは、次のように仮定。 r : 0.15m (人体の半径) h : 1.8m (人体の高さ) D : 10-5m (人体の細胞の一辺の長さ) 私見では、人体内の空洞を考慮しても、オーダーに変わりがないように思う。 |
E. 参考情報
| 日 本 |
国土面積: 約38万(104)km2 (平地 約30%、 山地 約70%) 人口: 約1.2億(108)人 (2050年 約1億人)、 世帯数: 約5,500万(104)戸 GDP: 約500兆(1012)円、 平均寿命: 約84歳 生涯未婚率: 約15%、 既婚率: 約43% 出生率: 約1.4人、 年間出生数: 約100万(104)人 労働力人口: 約6,000万(104)人、 平均年収: 約430万(104)円 給与所得者数: 約5,000万(104)人、 非正規雇用者数: 約2,000万(104)人 大企業数: 約1万(104)社、 中小企業数: 約400万(104)社 小学校数: 約2万(104)校、 中学校数: 約1万(104)校、 高校数: 約5,000校 専門学校数: 約3,300校、 短期大学数: 約300校、 大学数: 約750校 地方自治体数: 約50(都道府県)、 約800(市)、 約750(町)、 約200(村) |
| 世 界 |
地球の大きさ: 約6,400km(半径)、 約4万(104)km(円周) 地球の表面積: 約5億(108)km2 (陸地 約30%、 海洋 約70%) 世界の人口: 約77億(108)人 (2050年 約97億人) 米国の人口: 約3.3億(108)人 (2050年 約4億人) 米国のGDP: 約20兆(1012)ドル (約3,000兆円) 中国の人口: 約14億(108)人 (2050年 約14億人) 中国のGDP: 約13兆(1012)ドル (約2,000兆円) インドの人口: 約13億(108)人 (2050年 約15億人) インドのGDP: 約2.7兆(1012)ドル (約400兆円) ロシアの人口: 約1.4億(108)人 (2050年 約1.3億人) ロシアのGDP: 約1.7兆(1012)ドル (約250兆円) |
| 生 命 |
生物の出現: 約40億(108)年前(原核生物)、 約25億(108)年前(真核生物) 約15億(108)年前(多細胞生物)、 約1億(108)年前(霊長類) 人類の進化: 約400万(104)年前(猿人)、 約200万(104)年前(原人) 約50万(104)年前(旧人)、 約20万(104)年前(新人) 人類の元素: O(約65%)、C(約18%)、H(約10%)、N(約3%)、Ca(約1.5%) P(約1%)、S(約0.25%)、K(約0.2%)、Na・Cl(約0.15%) 等 (これらは、宇宙・地球・無生物・生物等を通じて循環再利用される) 人類の細胞: 約5-120(平均15)μm/個、 約40兆(1012)個/人 |
| 宇 宙 |
宇宙の年齢: 約140億(108)年、直径: 約900億(108)光年 天の川銀河の年齢: 約130億(108)年、直径: 約10万(104)光年 太陽系の年齢: 約46億(108)年、直径: 約3光年=約30兆(1012)km 地球の年齢: 約46億(108)年、太陽周りの公転軌道直径: 約3億(108)km 月の年齢: 約46億(108)年、地球周りの公転軌道直径: 約77万(104)km |
| 単 位 |
長さ: 1m=100cm=103mm=106μm=109nm=1010Å、 1km=103m 容積: 1L=10dL=103mL=103cc=103cm3、 1m3=103L 質量: 1kg=103g、 1t=103kg 為替: 1円≒(1/150)ドル≒(1/160)ユーロ≒(1/20)元≒(1/1.5)ルーブル |
| 公 式 |
円周: 円周率×直径=2×円周率×半径=2πr 円の面積: 1/2×円周×半径=円周率×(半径)2=πr2 球の表面積: 4×円の面積=4×円周率×(半径)2=4πr2 球の体積: 1/3×球の表面積×半径=4/3×円周率×(半径)3=4/3πr3 密度(単位体積当りの質量): (質量)/(体積) 速度(単位時間に進む長さ): (長さ)/(時間) |
令和 2 年 (西暦 2020 年) 9 月 20 日
令和 5 年 (西暦 2023 年) 9 月 20 日 改訂 倭地倭人 球磨コレノリ

