発明ができる人になろう !!

 政治家のように、願望や課題を述べるだけで、その解決を人任せ・時間任せにする
 のではなく、失敗を恐れず、自ら考え、具体的に解決する力をつけたい。
      アイデア豊富な人は、自分の脳で考える人であり、発明ができる人でもある。
      他人の脳に頼り過ぎて、自分の脳で考えない人は、発明ができない人である。
      自分の脳を鍛えるために、先人が用いた発明手法を学ぶ。

 「発明をすると云ふは、己が思ひを重ねて疾く巡らすこと、と見つけたり !! 」


 A.  発明をする基本
1 分解と組み立て
 発明をしようと問題を取り上げたら、先ず、その問題をバラバラに解してみる。
 次に、その一つ一つについて、知識を集め、
 その一つ一つについて、工夫を加え、いい骨組みを作る。
 そして、それらを組み合わせて、更に創造を加えると、新しいものが生まれる。
2 模倣は創造の第一歩
 問題を取り上げたとき、古今東西の同じ系統のものを、しっかり調査し、
 パテントフリーの真似られるものは真似て、それを表面的にごまかさないで、
 実質的に、プラスアルファの改良を加えるようにすれば良い。
 現在、特許実用新案になる 90%は、過去の特許実用新案の焼き直しである。
3 量! それが名案捻出の秘訣
 アイデアを積み上げれば積み上げるほど、名案に近づくが、判断は後に。
 否定的な判断が、創造と同時に行なわれることは、非常に能率が悪い。
 肯定的に、そのアイデアがなぜ良いか、その理由を残らず考え出せ。
 発明が立派に成功するのは、20~30 通りものアイデアが生まれ、
 それらのアイデアの良いところが、結びついた後のことである。
 単なる思い付きの一面的なアイデアは、似たものが既にあって、発明ではない。
4 発明への道を開く連想
 良い考えは、気紛れなもので、今は、はっきり覚えていても、すぐ忘れてしまう。
 そこで、何か考えついたら、すぐ書き留める習慣をつけたい。
 その考えが、直接、役に立たなくても、他の考えを連想することができ、
 そして、その連想は、しばしば偉大な発明をする。
5 変更の法則
 形状構造工程設備環境について、
 「大きく(小さく)したら?」 「高く(低く)したら?」 「広く(狭く)したら?」
 「長く(短く)したら?」   「厚く(薄く)したら?」 「重く(軽く)したら?」
 「太く(細く)したら?」   「付加(省略)したら?」 「角()にしたら?」
 (半分)にしたら?」  「上()にしたら?」  「表()にしたら?」
 「内側(外側)にしたら?」  「前()にしたら?」  「縦()にしたら?」
 「曲げ(伸ばし)たら?」   「押し(引い)たら?」  「固定(解放)したら?」
 「継続(中止)したら?」   「混合(分離)したら?」 「往復(回転)したら?」
 「接触(離間)させたら?」 等、
 形容詞名詞動詞の対句をヒントにした変更の考えが、新しいものを生み出す。
6 臆病はアイデアを殺す
 名案ができたときは、「笑われるかもしれない」「そんなことは、誰でも知って
 いるのではなかろうか」「出しゃばってはいないか」 等、という心配は無用。
 上司や専門家は、少なくとも、そのアイデアの発展性を認めてくれるはず。

 B.  得意な発明手法を選ぶ
1 観察法
 観察中の偶然という機会を大事にして、発見から発明を生み出す、というもの。
 例えば、ナフタリンと濃硫酸を釜で熱している時に、水銀温度計が壊れ、水銀が
 流入したことで、短時間に化合する事実が発見され、水銀触媒法の発明になり、
 また、ゴムに硫黄を加えて、性質を飛躍させた加硫法も、実験室でゴムに硫黄が
 混じってしまった結果、発明されたもの。
2 帰納法
 理詰めによる追及で、発明を生み出そうとするもの。
 原理理論を確立し、そこから、必ず発明が生まれることを、予想していく。
 例えば、昆布の出汁から、グルタミン酸ソーダという旨味の結晶を取り出し、
 次に、このグルタミン酸ソーダを、安く製造する原料には、何が良いかを研究し、
 小麦を使えば良いことがわかった、という化学調味料 「味の素」 の発明がある。
3 置換法
 原料材料方法について、代用品代替法に置き換えるもの。
 例えば、エジソン電球管の真空にアルゴンガスを封入したラングミュアー電球、
 材料を鉄から宝石に代えた長岡精機のレコード針 等がある。
4 転用法
 既存技術の用途開発を行ない、他の技術分野に流用するもの。
 例えば、瀬戸物を作る方法を、金属の粉末冶金に転用したり、
 殺菌ランプを、冷蔵庫に取り付けたり、清涼飲料水の殺菌に用いたりするもの。
5 結合法
 別々の技術を組み合わせて、新しい発明を生み出そうとするもの。
 「あれとこれを一緒にしたら、便利にならないか?」
 「その長所とこの長所を結び付けたら、意外な長所が出ないか?」
 「その欠点は、これで補ったらどうか?」 等、問い掛けによって生まれる。
 例えば、消しゴム付き鉛筆、米国製ドイツ製英国製の各ボイラーの長所を
 一つに纏めた 日本製田熊汽罐 等があり、特に、化合物合金の分野に多い。
6 類比法
 当面の問題とは、一見無関係と思えるものを対比して、アイデアを掴むもの。
 例えば、馬の肛門を参考にした 歯磨きチューブの口、
 亀からヒントを得た 水陸両用車、ホタルによる 照明法、
 イルカの 水中通信法 等や、童話からヒントを得たりする方法 が採られる。
7 変身法
 その商品になりきってしまい、使われる側の身になって、アイデアを出すもの。
 例えば、ホースになりきって、高圧の液体が体の中に入って来た状況を想像し、
 その痛みで、両手を重ねて腹を押さえたことがヒントになって、ホースの外側
 に、形に糸を入れた 強力ホース がある。
8 逆転法
 関係の方向追及の方向を逆転するもの。
 例えば、電子レンジのターンテーブルの代わりに、電子ビームを回転するもの、
 大阪城築城のときに、巨石を船底の外側に結びつけて運んだ 「石に船を積め」、
 Si の純度を上げて特性を測る実験で、逆に、Si の純度を下げることによって、
 発明された エザキダイオード、
 鶏の卵を温度を高くして孵化させるとき、最後の段階で、逆に、温度を下げて、
 ひよこの死亡率を減少させた ロマノフの卵 等がある。
9 欠点逆用法
 既存技術の欠点を、逆に利用してしまおうとするもの。
 例えば、スイッチが、放電により消耗することから、このスパークを金属加工
 に利用した ジャパックス社の発明 がある。
10 廃物利用法
 公害で問題になっているゴミ等を活用して、燃料や建築資材にするもの。
 例えば、自動車の排気ガスを利用するエアジャッキ、
 ゴミを混入封入したコンクリートブロック 等がある。
11 水平思考法
 問題解決の因果関係を、あえて切り離し、別の新しい関係に結び付けるもの。
 例えば、エレベータを待つ人がイライラしないように、運転制御法に工夫を
 するのではなく、入口に待つ人が写る鏡を付けただけのエレベータ がある。
12 購買動機法
 次の 4つの購買動機のいずれかに重点をおいて、模索するもの。
   気持ちの良い生活リッチな生活を好む 「ハート志向」
   技術の新しさを好む 「テクノ志向」
   身近なところで健康を考える 「ヘルス志向」
   時間場所を選ばない便利さを第一とする 「タイム志向」
  例えば、「ハート志向」 には、 キリンビール 「一番搾り」、 乗用車感覚 SUV
  「テクノ志向」 には、 BS チューナー内蔵テレビ、 ハンディビデオカメラ、
  「ヘルス志向」 には、 無糖飲料、 リラクゼーショングッズ、
  「タイム志向」 には、 ノートパソコン、 スマートフォン、 がある。

 C.  システマティックな発明手法
1 ブレスト(ブレインストーミング)
 集団で、頭脳(ブレイン)を嵐のように激しく動かす(ストーミング)と、競争心
 で連想が働き、一人で考えるより、ずっと多くのアイデアが出る、というもの。

 出て来た珍案・迷案を係が整理し、その中から良いものを取り出して活用し
  たり、適当に組み合わせて利用したりする。
 この中では、具体的な問題について、各自の思い思いのアイデアを気兼ねや
  遠慮をせずに、ズバズバ言えるようにすることと、あまり早く効果を狙わず、
  会合の回数を重ねることが大切。
 この会合の中では、次のようなルールがある。
   出席者の地位、年齢、性別等、一切問題にしない。
   他人の出したアイデアを、決して批判してはならない。
   発言には、一切責任がなく、後に尾を引かない。
2 ゴードン(ウィリアムゴードン)
 目的の具体的な問題について、上記 「ブレスト法」 では、出席者全員に知らせ
 るのに対し、この 「ゴードン法」 では、司会者しか知らない点で、異なる。

 例えば、駐車場を作ろうとしてアイデアを出させるとき、「駐車場」 のアイデ
  アだと知らせると、出席者全員の頭の中に自動車がイメージされ、今までの
  古い概念によって、思考が制限されるから、問題をもっと広い概念、例えば、
  貯蔵」 についてアイデアを出してもらいたいと要求する。
 自動車に囚われない置き場所についてのアイデアが、たくさん出て来たとき
  に、初めて、「駐車場」 のアイデアだと知らせると、今までに出たアイデアが
  役に立って、本当に創造的なアイデアが出てくる。
3 KJ(川喜田 二郎)
 各自のアイデアを名刺大のカードにメモし、それを類似アイデア毎にグループ
 分けして並べ、それをじっと眺めながら、新しいアイデアを出す、というもの。

 上記 「各自のアイデア」 は、得意な発明手法ブレスト法等で用意しておく。
 上記 「類似アイデア毎にグループ分け」 で、類似点を見つけにくいアイデア
  については、個別に置いておく。
 上記 「新しいアイデア」 は、「グループ」 間の相関因果関係を明らかにして
  いくことから生まれる。
4 チェックリスト法
 チェックリストに記載された項目に従って、アイデアを出して行くもの。
 例えば、「オズボーンのチェックリスト」 とは、次のようなもの。
   転用 : 他に用途はないか?
   適合(応用): 他にこのようなものがあるか?
   変更 :匂い意味動き等、新しいアングルはないか?
   拡大 : 大きさ時間頻度高さ長さ強さ、を拡大できないか?
   縮小 : 小さく携帯化短く省略軽く、できないか?
   代用 : 材料過程場所アプローチ人等、他の何かで代用できないか?
   再配置 : 要素成分部品配列位置計画日程等、を変えられないか?
   逆転 : 正逆前後マイナス/プラス等、反対にできないか?
   結合(分割): 一つに組み合わせられないか? 一単位を複数にできないか?
 他にも様々なチェックリストがあるが、その一例は、次のようなもの。
   楽しくしたら?
   お笑いネタにしたら?
   好きなものごとと関連付けたら?
   簡潔にしたら?
   切り捨てたら?
   欠点を逆に活かしたら?
   古くしたら?
   外国人だったら?
   規則性共通点を発展させたら?
   因果関係を逆転させたら?
   本当に必要か?
   「常識」 になっていることを壊したら?


 令和 3(西暦 2021) 1220      倭地倭人 球磨コレノリ


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